すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


手間(てま)の関(島根県安来市)





古代の山陰道の出雲国と伯耆国の国境に「手間の関」という関所が設けられていた。
古代山陰道は中海の沿岸ではなく、かなり内陸部を通っており、安来市の要害山の峠が国境となっていた。現在は県道102号線が通っている。



これが要害山。峠の北側(伯耆国)から撮影



これも。標高281メートル



峠を通る県道102号線



出雲国側から峠道を撮影。右の山が要害山。



出雲国側。正面に要害山。
手間関は出雲国にあったので、この辺りに関所が設けられていた。地名は「伯太町安田」と遠い過去の記憶を留めている。





手間の関を詠んだ歌


さりともと思ひしかども八雲立つ 手間の関にも秋はとまらず 堀河百首


八雲立つ出雲の国手間の関 てまと名づけし由も知られず 古今六帖


八雲立つ出雲の国手間の関 いかなるてまに君さはるらむ 古今六帖


さくらさくてまの関山こえてだに およばぬ枝はをるにさはらぬ 契沖


はれまよりまたかきくらし雲まよふ てまの関にも時雨ふりつゝ 宮本貞好(出雲国名所歌集)
宮本貞好は紀伊国那珂郡出身

























今回、インターネットで検索して分かったことだが、「要害山」という山は日本中にあるようだ。Wikipediaだけで27の要害山が登録されている。それぞれの説明文を読んでいくと、どうも昔の山城で、しかも国境警備の山城を要害山と名付けているケースが多いようだ。「要害」は敵を防ぐ意味で、「要塞(ようさい)」に通じる。





本文の要害山の南東3キロメートルにも要害山がある。こちらは現在「手間要害山」と呼ばれているが、鳥取県、昔の伯耆国にある。しかも手間要害山の北麓には天萬(てんまん)という集落があり、なんと「手間」というバス停があるという。


伯耆国の手間に訪問



バス停



昔は鉄道が走っていたようだ。これは鉄道の駅跡



1967年に全線廃止になったようだ



案内板の中の写真


これは手間のバス停(鳥取県)







鉄道の廃線跡も好きです







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