すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


鳥羽(京都市伏見区)





山城国の歌枕。

現在の名神高速の京都南インター付近に広がっていた水田地帯。

「鳥羽田」として詠まれることが多かったようだ。




山城の鳥羽田の面を見渡せばほのかに今朝ぞ秋風は吹く 曽禰好忠

大江山傾く月の影さえて鳥羽田の面に落つる雁がね 慈円

なにとなくものがなしくぞ見え渡る鳥羽田の面の秋の夕暮 西行

早苗とる鳥羽田の面に雨をえてをりはへ来鳴く郭公かな 秋篠月清集

とぶ雁のゆくへは霧にうづもれて鳥羽田の千町夕暮れにけり 上田秋成



町はずれの田園地帯のうら寂しい情景が詠まれている。











平安時代、この鳥羽の地に鳥羽離宮が造営された。
元々ここには鴨川と桂川が合流する風光明媚な土地であったことから貴族の別荘が建ち並んでいた。11世紀に藤原季綱が白河上皇へ別邸を献上して以来、営々と建設が続けられた。




今回、鳥羽離宮の跡地を訪問した。

鳥羽離宮跡公園として整備されていた。



少年野球が練習していた。



野球グラウンドの傍らに池があった。
邸宅の池の跡なのかな?



築山跡と考えられている丘。



現地の案内板に描かれていた絵





鳥羽離宮の鎮守社であった城南宮でで与謝野晶子が詠んだ歌

五月雨に築土くづれし鳥羽殿の いぬゐの池におもだかさきぬ 与謝野晶子(みだれ髪)







ここで戊辰戦争の鳥羽伏見の戦いが勃発した。

石碑があった。













周辺は、工場や倉庫が集まる地域でした。






copyright(C)2012 すさまじきもの〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜 all rights reserved.