すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


戸畑の海(福岡県北九州市))





このページを作るに際し、インターネットで「戸畑」を調べた。
万葉集で採り上げられるほどの地名なので、さぞかし厚みのある歴史があるのかなと思っていたが、兄図らんや弟知らんや、明治期の新日鉄の工場進出以外に見るべきところなく、そのまま1963年に北九州市として統合されてしまう。
歴史だけでなく、見どころも乏しいようだ。自治体のホームページを見ても、海をはさんだ若松区と結ぶ若戸大橋のライトアップが最大の観光スポットであった。
戸畑駅前のイオンショッピングセンターも人気スポットであろう。





戸畑を詠んだ万葉歌


ほととぎす飛幡の浦にしく波の しくしく君を見むよしもがも 万葉集
(飛幡=戸畑)


戸畑の浦にしきりに打ち寄せる波のように、しばしば君に会えないものか、という感じ。海の波はどこの海岸でもあるので、なにも戸畑でなかっても成立するような歌である。「しく」は「頻く」で「しきり」の意味。




戸畑の海の現在の姿


若戸大橋。全長627メートルの吊り橋。完成時は日本最長であったらしい。




これも戸畑の海。
しきりに波は打ち寄せているようだ。













さて、この歌の歌碑が近くの夜宮公園に設置されているとの情報があったので、行ってみた。
手元のメモには、「歌碑は小高い丘の北の方に建てられている」とのことであった。
ところが、この夜宮公園は予想以上に広く、樹木も茂っていて全体が見渡せず、またアップダウンのある地形だったので、メモの「小高い丘」に到達できないままに時間が過ぎて行って、結局、万葉歌碑は諦めることになった。



夜宮公園




案内図には当然万葉歌碑の設置場所の情報はなかった。




木々が生い茂り、よく分からなかった。
















印象の薄い訪問でした。






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