すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
十符の菅(仙台市宮城野区)
それなりの歌枕であるが、十符のイメージが掴みにくいので、現在ではマイナーな存在である。 とりあえず説明板の内容を転記
う〜ん、現在では菅薦(スゲで編んだムシロ)と言われてもよく分からないし、その編目が十筋あるというのもイメージが湧かない。 「符」は編目のことで、「10の編目」が「十符」となって、特産品の菅薦の産地として「十符の菅」が歌枕の地となったもの。 四代藩主伊達綱村がこの地で栽培を継続させた「十符の菅」が、現在でも植え継がれているとの情報があり、訪問してきた。 「仙台市岩切市民センター」で保存されている。 その駐車場の片隅に「十符の菅」があった。 ただし1月に行ったので、菅は生えていなかった。 なんとも寂しいものがあった。 この周辺の写真 この辺りで「十符の菅」が生えていたり、 この辺りに「十符の池」があったとか さて、「十符の里」は上記の仙台市宮城野区から隣の利府町にわたる地域のことであったようで、利府町も「十符の里」ゆかりの地となっている。 |
こんな十符の里は平安時代から多くの歌人たちに詠まれている。 「問う」とか「訪う」につながるようだ。 |
寝覚めする 十符の菅薦 冴えわびて 暁ふかく 千鳥鳴くなり | 後鳥羽院御集 |
見し人も とふのうら風 おとせぬに つれなく澄める 秋の夜の月 | 橘為仲(新古今集) |
みちのくの 十符の菅薦 七符には 君を寝させて 三符に我が寝む | 夫木和歌抄 |
水鳥のつららの枕隙もなしむべ冴えけらし十符の菅菰 | 源経信(金葉集) |
あやむしろ 緒になすまでに 恋わびぬ 下朽ちぬあらし 十符の菅薦 | 鎌倉右大臣(夫木和歌集) |