すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


戸島(岡山県倉敷市)





岡山県の水島工業地帯の玉島地区の一角に緑豊かな丘陵地がある。
昔は乙島という島であったが、埋立てにより本土と陸続きとなった。
この丘陵地に鎮座するのが戸島神社。
「戸島」は「乙島」の古称である。


戸島は永承元年(1064)の大嘗会で詠まれている。

天のはら明けて戸島を見渡せば 渚静かに波ぞ寄せくる 藤原家経(大嘗会和歌集)


戸島神社の境内に歌碑


「夜が明けて、戸島を見てみると・・・」なので詠み手は本土側で泊っていたのだろう。




構図としては、こんな感じ。
手前の岩場に庵が会って、人が窓から外を眺めている。
海を挟んで向こうに見えるのが戸島。
多分この大嘗歌を基にして描かれたのだろう。


※ 備中名所考「戸嶋」(新日本古典籍総合データベース)











■現地訪問


前日、水島のビジネスホテルに泊り、この日最初の訪問地であった。
社頭から続く石段に仰天。朝一から大変な苦行となった。



上記写真の上の鳥居の地点。さらに石段が続く。もう大変。



山の上にあった社殿。
なんとこの横は駐車場になっていた。車でも上ってこれたようだ。結構ショックだった。



境内から西南を望む。



これは東南の方向。
JFEの工場が見えた。



この写真は丘陵地の西側から撮影したもの。
昔は海に浮かぶ島だった。















健康のためなのか分かりませんが、地元の
人が石段を上り下りしていました。






copyright(C)2012 すさまじきもの〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜 all rights reserved.