すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


鞆の浦(広島県福山市)







広島県のホームページ「ひろしまラボ」から引用


かつて日本の大動脈を担っていた瀬戸内海の中央に位置している鞆の浦は、満ち潮と引き潮がぶつかる場所でもあったため、瀬戸内海を横断する船は一度ここで立ち止まり潮の流れが変わるのを待っていました。そしていつしか「潮待ちの港」と呼ばれるようになり、人と物が行き交う寄港地として栄えた歴史を持っています。









鞆の浦を詠んだ歌


鞆の浦の磯のむろの木見むごとに 相見し妹は忘れえめやも 大伴旅人(万葉集)


鞆の浦歴史民族資料館前に歌碑(むろの木もある)





我妹子が見し鞆の浦むろの木は 常世にあれど見し人ぞなき 大伴旅人(万葉集)


福山市鞆町、渡船場前に歌碑





磯の上に根延ふむろの木見し人を いづらと問はば語り告げむか 大伴旅人(万葉集)
春日町福山中高等学校に歌碑





海人小舟帆かも張れると見るまでに 鞆の浦みに波立てりみゆ 万葉集
後山展望園地の高台に歌碑





鞆の浦は室の木がキーワード

神亀5年(728年)、大伴旅人は大宰府の長官としてに赴任する。
妻の大伴郎女を伴い瀬戸内海を船で渡る途中、潮待ちで寄港した鞆の浦で、そこにあった室の木を妻とともに見た。
しかし妻は太宰府に着いてすぐに亡くなった。
任期を終えて太宰府から都への帰途、鞆の浦でまた室の木を見て、妻を思い出したもの。






現在は広島県東部を代表する観光地となっている。
今回現地訪問し、駆け足で巡ってきた。


鞆城跡が「鞆の浦歴史民俗資料館」となっている。そこからの眺め。



鞆の浦の漁港。右手に常夜灯が見える。



この石段は「雁木(がんぎ)」。
船を着けるため陸から海に向けて作られたもの。



沖の弁天島と仙酔島。



「保命酒」販売店
保命酒は生薬を含んでいるリキュールのお酒。鞆の浦では醸造元が軒を連ねている。保命酒を飲むと健康になり、長く命が保てるとの意味。


保命酒を詠んだ歌


世にならす鞆の港の竹の葉を 斯くて嘗むるも珍しの世や 三条実美
保命酒(竹の葉と表現)をたたえる和歌

















もっといろいろ書く事を考えてましたが、こんなかんじで終わります






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