すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


戸無瀬の滝(京都市右京区)




戸無瀬の滝について、二通りの説がある。

@「嵐山から流れ落ちる滝」

A「大堰川の急流となっているところを“滝”と表現した」

どちらも間違っていないだろうが、A「大堰川の急流部分」は近代の河川の改修工事でなくなったらしい。




嵐山に行ったときに@「嵐山から流れ落ちる滝」を見てきた。


大堰川の左岸、亀山公園あたりから対岸の嵐山を望む。
写真のちょうど真ん中付近に「戸無瀬の滝」



拡大写真、こんな感じで滝がある。








嵐吹く山のあなたのもみぢ葉戸無瀬の滝に落としてぞ見る 源経信(続古今集)
大井川となせの滝に身をなげて早くと人にいわせてしがな 空仁法師(千載集)
大井河ちるもみぢ葉に埋れてとなせの瀧は音のみぞする 大中臣公長(金葉集)
惜しめどもよもの葉は散果ててとなせぞ秋の泊なりける 藤原公実(金葉集)
鵜飼舟下す戸無瀬の水馴棹さしも程なく明るよは哉 藤原良経(秋篠月清集)
あらし山花よりおくに月は入りて戸無瀬の水にのみのこれり 橘千蔭
となせ河玉ちる瀬々の月をみて心ぞにうつりはてぬる 藤原定家(続千載集)


「戸無瀬の滝」関係の歌を並べてみた。

感想として、
上記A「大堰川の急流となっているところを“滝”と表現した」ようなものが多い気がする。
それはともかく、やはり秋の歌が主流になっている。









次に、大堰川を渡って、「戸無瀬の滝」を直接見学に行った。


渡月橋を大堰川右岸に渡り、上流へ歩いていく。



300メートル程度歩いたところに「戸無瀬の滝」発見!



上部を見上げる



何段にも堰が築かれていた。


入念に写真を撮っていたら、重要な史跡と勘違いした観光アベックがやってきて、同じように写真を撮り始めた。
















この手の故地は訪問の満足感が高いです。






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