すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


(三重県津市)






津市内の津城跡





東海道名所図会の「津」
(早稲田大学図書館)





津市は三重県の県庁所在地。江戸時代は藤堂津藩の城下町として、また伊勢参りの宿場町として栄えた。


では、それ以前はどうだったかというと、古代大和政権以来、東国への港として重要な役割を担っていたらしい。そのころは「安濃津(あのつ)」という地名であった。


古代、安濃津の港は、安濃川と岩田川の河口部分に沿岸流の影響で発達した砂堆と、内側の潟湖により港が形成されたもので、中世の日本の典型的な港の形であった。
ところが明応大地震(1498年)の際に、大津波が安濃津に押し寄せ、砂堆も潟湖も壊滅してしまったので、港としての機能を全く失ってしまったという。








そんな津(安濃津)を詠んだ歌


打ち渡す あのゝ湊田 ほのぼのと かるもからぬも 見えぬ朝霧 鴨長明



伊勢の海あのの松原待つとてもいひし日数になみはこえつつ 藤原為家(夫木和歌抄)












インターネットに安濃津の港の研究のページがあった。
とても興味深い内容であった。


リンクあり










地形の変化が絡むと楽しいです。




copyright(C)2012 すさまじきもの 〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜 all rights reserved.