すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


次ノ滝(和歌山県有田川町)








滝を見るのが好きで、よく見に行っている。
マイナスイオンというのだろうか、よく分からないが、轟々(ごうごう)と流れ落ちる水を見ていると、たしかに心の癒やし効果がある。


また多くの滝は、浸食に対する強弱が異なる地層の境目にあることから、なにかと地形上の興味も尽きない。


自分的には、いっそ滝マニアになって、日本中の滝を訪ねるような趣味を持ってもいいのかなと思うのだが、

やっぱり思うようにはいかない。

滝マニアの必要条件は、山登りの体力と、ヘビや虫に対する耐性であり、どちらも本当に苦手である。


営業の仕事で日中歩くことが多く、水平の歩行にはそれなりに自信があるが、歩くときと登るときの足の筋肉は全然違うようで、登りには弱い。


また大量の水が流れ落ちる滝は見応えがあるのだが、それは春から夏にかけて爬虫類昆虫類が跋扈する時期と重なり、ちょっと無理である。


冬なら安心して行けるのだが、得てして冬は雨が少なく、滝の水量もイマイチとなる。


そんなことを考えると、結局、滝マニアにはなれないのだろう。


滝マニアたちのホームページを見ると、ヘルメットを被って、沢を遡り、まだ見ぬ秘密の滝を見つけた瞬間の感動を伝えているが、完全に私とは別の世界である。













思いつくままに、いろいろ書いてみたが、今回も冬の滝を見に行った。


目的の滝は「次ノ滝」、落差46メートル。
昔、日本一那智滝に次ぐ落差がある滝と言うことで、次ノ滝となったらしい。那智滝は都から遙かに遠いが、次ノ滝は比較的近いので、文人墨客が多く訪れたらしい。







2021年1月、和歌山県の有田から内陸の山地へ入って行った。



山の中腹に小さな駐車場があった。



駐車場にあった案内板



民家の横から坂道を登っていく



かなり急な山道であった。
それほどの距離ではなかったが、足がガクガクになった。
これからはエスカレータでなく階段を上ろうと思った。



展望台があって、次ノ滝が望めた。



窪んだところに白い滝が見える。
真冬で、雨も少なかったので、迫力なし。



こんな感じ。
マイナスイオンもそれほど感じなかった。


次ノ滝は、滝の裏まで行くことができ、滝の裏見が可能なのだが、かなりの距離とアップダウンが急ということで、断念した。残念。




こんな次ノ滝を詠んだ歌


久方の天津乙女がさらすらむ雲井に糸を延坂の滝 木村見山


次ノ滝は、延坂という地名にあるので、延坂滝とも呼ばれてきた。
雲から糸を垂らしたような滝だということ。











参考:紀州の滝340(紀伊民報社)












台風シーズンの滝ってどんな様子だろうか






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