すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


津乎の崎(滋賀県長浜市)






いやはや、今回だけは大変であった。

冬の近江路、湖北を巡っていたところ、雪に見舞われ、あわてて湖岸道路を南下してきたところ、雪から雨に変わった。
目指す「津乎の崎」は現在の長浜市津里で、そこにある野田沼の畔に万葉歌碑があるとのこと。
ただ野間沼の畔といっても、この冬の大雨の中で歌碑を探すのは大変で、
地図を見てもそれなりの大きさの沼だったので途方に暮れていた。

ところがスマホで「津乎の崎、歌碑」と検索したところ、ドンピシャのホームページに出会った。

磯城島綜藝堂」の中の「津乎の崎」の頁。
全国の万葉歌碑の現地調査を行っている方のホームページで、親切なことに野田沼と万葉歌碑と駐車場の位置が分かる地図を掲載されていた。

http://www43.tok2.com/home/manyohi/gembox2.html


どの道にも先達がおられ、その研究成果のおかげで後進は難なく目的を果たすことができるというもの。

(私も独りよがりなものでなく、同好の方々の役に立つようなホームページを作っていきたいと思った)











【津乎の崎、野田沼】

野田沼の畔の万葉歌碑を目指した。

駐車場から近いのかなと思ったが、それなりの距離があって、道は雨がたまっていた。



靴の中に雨が沁み込んできて大変であった。



野田沼の風景。後ろに見えるのは山本山(旧朝日山)で、麓の「朝日の里」は新古今集で詠まれている歌枕の地。



野鳥が多かった。



この雨の中で熱心に野鳥を観察している人がいた。



琵琶湖への水路。
昔は野田沼は琵琶湖とつながっていて入り江になっていたらしい。
良港だったらしく、そのため「津」の字が絡んでいるのだろう。




そして万葉歌碑

葦辺には鶴がね鳴きて湊風寒く吹くらむ津乎の崎はも 若湯座王(万葉集)




津乎の崎の冬は冷たい風が吹き付け、蘆辺には鶴が鳴いている、って感じの意味であるが、今回の訪問は冬のみぞれが降るタイミングだったので、この万葉歌と同じような情景であった。




これは琵琶湖の方。地形が変わったがこちらこそ津乎の崎なのだろう。
雨降る中、車の中から撮影。












雨の中、野鳥観察の人はじっとカメラを向けてましたが、

大変な趣味だと思いました。










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