すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
敦賀原子力発電所
「敦賀」の地名を冠していて、有名なモノを考えた結果、敦賀原発を訪問することにした。 というか、個人的に原発が大好きで、圧倒的な大きさと昭和時代の未来の世界感に魅了される。 敦賀半島にはそのほかに、美浜原発や高速増殖炉「もんじゅ」があり、廃炉作業中の「ふげん」も敦賀原発の奥の敷地に立地している。 そんな敦賀ゆかりの歌を探してみたが、敦賀から北国街道の木ノ芽峠を超えたところにある有名な歌枕「帰る山」に因んだ歌のなかに、敦賀が詠み込まれた歌を数首“発見”した程度で、あとは幕末水戸天狗党関連のみであった。 |
我をのみ思ひ敦賀のうらならば かへるの山はまどはざらまし | 後撰和歌集 |
かへるかり北をさし行く波の上に あまもつるがの沖の友舟 | 藤原基家 |
梓弓つるがの山を春こえて帰りし雁は今ぞ鳴くなる | 藤原為家(夫木和歌抄) |
はるはまた立ちぞかへらむ |
道興准后(廻国雑記) |
現在の「敦賀の浦」 ![]() 金ヶ崎から撮影、対岸は敦賀半島 幕末、投降した水戸天狗党員は敦賀で処刑された。 天狗党員はそれぞれ辞世を詠んだが、その中で敦賀の地名を詠んだ歌 |
おもふことうたて敦賀の越の雪 とけてのどけきはるや待つらん | 伊藤健蔵 |
たとへ身は敦賀の里にさらすとも などたゆむべきもののふの道 | 岸信蔵 |
諸説有るが、敦賀の地名は往古当地を角鹿(つぬが)と称したことが始まりという。気比神社の摂社に角鹿神社がある。 ![]() 気比神社の境内にある角鹿神社 |