すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


鶴岡(山形県鶴岡市))





山形県の鶴岡がどこにあるか知っている関西人は少ないと思う。
というか、山形県が日本海に面していることも知らないと思う。
私自身、鶴岡市の鶴ヶ岡城と、会津の鶴ヶ城とごっちゃになっている。
それほど関西とは縁の遠い町である。




そんな鶴岡の町に、松尾芭蕉は奥の細道の旅で、羽黒山からやってきた。鶴岡では知人の庄内藩士、長山重行の家に三泊している。ここで芭蕉、曽良、長山重行、そして羽黒三山を案内した呂丸(左吉)によって歌仙が巻かれている。そして芭蕉は川舟に乗って次の酒田に向った。


ここの本文くだり
羽黒を立て、鶴が岡の城下、長山氏重行といふ物のふの家に迎へられて、俳諧一巻あり。左吉も共に送りぬ。川舟に乗つて、酒田の湊に下る。




まあ、言ってみれば、ビッグネームの羽黒三山とその後のクライマックスの象潟の間の小ネタ、つなぎ、マイナーエピソードであって、鶴岡は知る人ぞ知る、芭蕉ゆかりの地である。




現在では、芭蕉が泊まった長山重行の屋敷跡が史跡として整備されている。


案内板



これが長山重行宅跡。



逆方向から


民家と駐車場の間の空間が長山重行宅跡。



右手が長山重行宅跡。
駐車場は隣の映画館のもの。



長山重行宅跡の前の道



芭蕉たちは、近くを流れる内川から川舟に乗り、次の目的地である酒田へ向かった。



長山重行宅で開催された歌仙興行での芭蕉の句

めづらしや山をいで羽の初茄子 芭蕉


長山重行宅跡に句碑














なんと、旧庄内藩主酒井家第17代当主の酒井忠明が平成15年の宮中歌会始で詠んだ歌を“発見”

今もなほ殿と呼ばるることありてこの城下町にわれ老いにけり 酒井忠明













2018年夏の東北旅行では、鶴岡で二泊した。
泊ったのは、ホテルイン鶴岡。値段も安く、満足いく内容であった。
















地元スーパーで買ったクジラ肉のユッケ。
この地の名産品なのか分からないが、ビール
に最適であった。








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