すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


躑躅岡(仙台市宮城野区)




歌枕としては「躑躅岡」で『つつじがおか』と読む。
現在は「榴ヶ岡」の文字が充てられているが、「榴」の意味は『ザクロ』の意味なので何だかよくわからない。

古来それなりの歌枕の地で、松尾芭蕉も奥の細道で仙台に滞在したときに、加右衛門という風流人の案内で歌枕を巡り、躑躅岡に訪れている。

今回、躑躅岡訪問に際しいろいろ調べたが、感想として、地名のツツジではなく、他の植物を詠んだ歌の方が多かった。
クマツヅラ、アセビ、ワラビ、サクラ等々で、奥の細道にも躑躅岡に「あせび咲くころなり」と記されている。

植物にはあまり興味ないので、どっちでもいいのだが。





躑躅岡を詠んだ歌

陸奥榴ヶ岡くまつづら辛しと妹をけふぞ知りぬる 藤原仲平(古今和歌六帖)
みちのく千賀の浦にて見ましかばいかにつつじのをかしからまし 右大将道綱の母
とりつなげ玉田横野の放れ駒つつじの岡あせみさくなり 源俊頼
東路つつじが岡に来て見れば赤裳の裾に色ぞかよへる 二条大后宮肥後(夫木和歌集)
名にし負ふつつじが岡の下わらび共に折り知る春の暮れかな 道興准后
此岡につゝしの替り枯さくら 和知 風光




さて地形的にアプローチすると、仙台市内には北東から南西方向へ二本の活断層が存在し、この活断層の活動により仙台市の中心部に高低差20メートルほどの台地が形成された。
この隆起した台地部分が「躑躅岡」で、活断層「長町−利府線」を挟んで東側に広がる平野部を「宮城野」といい、こちらも歌枕となっている。


河北新報ホームページの地図を加工
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201502/20150223_15052.html

上記地図では「躑躅岡」は現在の「榴岡公園」、「宮城野」は「コボスタ宮城」になり、その間を活断層が走っている。







榴岡公園に行ってきた。





いやはや市民の憩いの場であった。



桜の名所になっているようだ。



枝垂桜の巨木が続いていた。桜見のシーズンに来てみたい。



ただし、躑躅岡の歌枕に関係するような史蹟関係は見当たらなかった。
広大な公園を走りまわり、本当に疲れた。
どこかに何かあるのかな?














歌枕の地とかでなかったら、普通の都会の公園でした。






copyright(C)2012 すさまじきもの 〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜 all rights reserved.