すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


宇部(山口県宇部市)







鳥の音も涙もよほす心地(ここち)して むべこそ袖は(かは)かざりけれ 源俊頼(散木奇歌集)


詞書は、むべ といふ(とまり)にて、(さぎ)の木にゐてなきければ、ところからにや身にしみてよめる」


「むべ」は転訛して現在の宇部(うべ)のこと。
「むべといふ泊」は「宇部の湊」のことで、厚東川の河口にあったようだ。
宇部の湊で、サギの鳥が鳴いていて、涙を催しそうになり、袖が涙に濡れて乾かないのはもっともだ、という感じで、「むべ」は「(むべ)」、副詞の、「なるほど」「もっともだ」、と地名を掛けたもの。


中世までは宇部は厚狭郡南部の半島地形の先端部にある一寒村であったが、江戸時代に領主福原氏が湿地帯や砂丘の開作を行い、近代になって海底炭田を埋め立てて一大工業都市となった。


宇部炭鉱が発祥の宇部興産(UBE)は、宇部市を象徴する企業。
宇部本社を撮影した



「UBE]の社名の看板が隠れてしまった。
宇部興産は2022年にUBEに社名変更した。
個人的には宇部興産の方がよかった。












昔、仕事で宇部興産の堺工場の敷地によく出入りしていました。





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