すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


打出浜(滋賀県大津市)




大津の打出浜と言えば、有名な平家物語、「木曽の最期の事」。
宇治川の合戦で敗れた木曽義仲が死に場所を求めて乳母子の今井兼平と打出浜で落ち合い、最後の戦いに繰り出すというシーン。

(木曽義仲)大音声を揚げて、「日來(ひごろ)は聞きけんものを、木曾の冠者、今は見るらん、左馬の頭兼伊豫の守朝日の將軍源の義仲ぞや。・・・」

と叫んで、鎌倉方の一條次郎と戦った。

この章は何度読み返しても、眼頭が熱くなるような感動的な場面。
その後、戦いに敗れ、主従二騎になったところで、

(木曽義仲)日來(ひごろ)は何とも覺えぬ鎧が、今日は重うなつたるぞやと宣へば・・・、

と弱音を吐いて、粟津の松原へ落ちていった。


いや〜、感動! 感動! 感動!







そんな名場面の舞台へ行ってみた。


現在の大津市打出浜の住所には、びわ湖ホール、NHK大津放送局、大津中央郵便局などが立地し、大津市の中心地となっている。
浜辺は「打出の森」として整備されている。
写真は打出浜から西の方向を写している。


案内板があって、上と同じアングルの写真があった。
「大津を感じる景観スポット」として『重要眺望点』だと説明されている。


東方向を望む。大津プリンスホテルが見える。


対岸、堅田の方角。比良山は雲に隠れて見えない。


公園内にはレストランが立ち並んでいた。







近江なる 打出の浜の うちいでつつ うら見やせまし 人の心を 読人不知(拾遺和歌集)

同音反復の助詞としてなっている










雪が降って、本当に寒かったです




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