すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


宇陀(奈良県宇陀市)






宇陀市観光MAP



宇陀って、いかにも古代日本の匂いがプンプンする地名。
と思っていろいろ調べてみると、

@神武天皇が大和国に入る際に、紀伊半島の南端から八咫烏の案内で吉野を経て宇陀に至り、そして大和国へ攻め込んだ。

A大宇陀町一帯は「阿騎野」と呼ばれ、大和朝廷の御狩場になっていた。日本書紀には、夜明け前に集合し、鹿狩りを楽しんだ様子が記載されている。その時の詠まれた万葉歌が残っている。

B壬申の乱の際、天武天皇は吉野を脱出し、宇陀を経由して名張方面に向かった。

こんな感じで、歴史上いろんな場面に宇陀は登場する。


もともと宇陀の中心は宇陀松山(大宇陀)であったが、明治時代に鉄道が榛原を通ったために、その後は榛原地区を中心に発展していった。





そんな宇陀に行ってきた。


榛原地区。
山手から榛原の中心地を写す。
榛原は宇陀市の行政の中心であるが、山に囲まれたこんな感じの町。



高井地区。
典型的な宇陀の風景。
ほとんどが山で、小さな平地に小さな集落がある。




こんな宇陀を詠んだ万葉歌

宇陀の野の 秋萩しのぎ 鳴く鹿も 妻に恋ふらく 我れには増さじ 万葉集
宇陀の野の秋萩を押し分けて鳴く鹿も妻を恋しく思うことでは私より勝りはしないだろう
(宇陀市ホームページ)
 


榛原あかね台 わかくさ公園に歌碑











あと驚いたのが、宇陀市を流れる川は大和盆地に向かわずに、北東の名張に向かい、木津川を経て淀川に合流する。なんとここは淀川水系だった。

165号線沿いの宇陀川。
名張の方向に流れて行く。




国土交通省より












国道165号線沿いの道の駅「宇陀路室生」はとってもよかったので推奨します。









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