すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


(うぐいす)の瀬(埼玉県深谷市)












2022年のNHK大河ドラマは「鎌倉殿の13人」。

鎌倉幕府の執権北条義時が主人公。鎌倉幕府成立期の権力争いの駆け引きをホームドラマ仕立てで毎週放映していた。

鎌倉殿を取り巻く御家人の一人が畠山重忠。俳優の中川大志が演じた.
とてもイケメンだった。

畠山重忠は鎌倉幕府創業の功臣であったが、頼朝没後に実権を握った北条氏の謀略によって謀反の疑いをかけられ一族滅亡。

そんな畠山重忠に関わる故事が、発祥地である埼玉県深谷市畠山に伝わっている。



以下、現地の案内板を転記する。




鶯の瀬

荒川のせせらぎの聞こえるこの地を鶯の瀬といい、増水時でも川瀬の変わらぬ浅瀬である。
ここは、畠山重忠公が榛沢六郎成清のもとに行き、帰路豪雨に逢い、洪水で渡れないでいるときに一羽の鶯が鳴いて浅瀬を教えてくれたと言い伝えられており、その故事を詠んだのが次の歌である。

時しらぬ岸の小笹のは浅たづねて鳴き渡るらむ 畠山重忠

(後略) 
 埼玉県






え〜と、このウグイスの話は今回初めて知ったが、「浅瀬を教える」という展開で有名なのは、同じ源平騒乱期の『藤戸の戦い』で源氏の佐々木盛綱が漁師に海峡を渡る浅瀬の場所を教えてもらったエピソード。
浅瀬の場所を誰にも知られたくないため、佐々木盛綱は漁師を殺すという残虐な話である。

一方、ウグイスの方は、家に帰るときに川が増水していただけなので、このウグイスは殺されずに済んでいる。








■現地訪問


これが鶯の瀬

この日、台風が接近中にもかかわらず水深は浅そうに見えたが・・・



実は鶯の瀬のすぐ上流に六堰頭首工という農業用水の堰が設けられており、いったん水は堰き止められているもの。
ちなみに六堰頭首工の管理用道路(橋)は「重忠橋」と命名されている。


深谷市の荒川にある



現地に「史跡 鶯の瀬」の石碑があった














畠山重忠は地元の英雄であったようだ。
鶯の瀬の近くにある畠山重忠の墓所を中心に「畠山重忠公史跡公園」が整備されていた。
( 埼玉県深谷市畠山510−2)


畠山重忠の墓



立派な畠山重忠の像があった



一ノ谷の戦い「鵯越の逆落とし」では、愛馬三日月を背負って下りたという伝説がある



太陽の光が強すぎて今一はっきりしないので、Wikipediaの写真を転載しておく







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ドラマの俳優のイメージで、畠山重忠はイケメンだったと思っています






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