すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


浦野の山(長野県上田市)








かの児ろの 寝ずやなりなむ はだすすき 浦野の山に 月片寄るも 万葉集


浦野集落の薬師堂付近に歌碑



え〜と、歌の意味は、
今夜はあの娘と共寝できない、ススキが茂る浦野の山に月が傾き夜明けが近い、という感じで、若者の深いため息が聞こえてきそうな歌である。

中山道ができる前の大昔の官道である東山道は、浦野の里に駅家が設けられていた。浦野の里はその後、松本と上田を結ぶ保福寺街道の宿場町として栄えたという。







■現地訪問


浦野の山



浦野の集落。集落の背後の山が浦野の山。ずっと遠くに富士山のような子檀嶺岳が見える。



浦野宿の高札場



高札場から上田方面



高札場から松本方面



薬師堂の山門



これが薬師堂、この付近に万葉歌碑がある。








この歌について、旅の若者が浦野宿に泊まり、都に残してきた恋人を想いながら詠んだ歌という説もある。

私としては、若者が夜に薬師堂かどこかで恋人を待っていたが朝まで来なかった、残念!、という方が万葉集らしいと思う。














こんな場所に宿場町があったとは、初めて知りました。






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