すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
瓜生山は、京都の東山三十六嶺の一つ。 超マイナーな歌枕と思っていたが、このページを作成するに際し、「歌ことば歌枕辞典」(笠間書院)を念のために確認したところ、山城国の歌枕の地として、しっかり紹介されていた。 それによると、志賀の山越えの道からよく見えるので和歌に多く詠まれたとあって、秋の「紅葉」「鹿」や、「霧」が詠まれることが多かったようだ。 そんな瓜生山を遠くから眺めてきた。 ![]() これは松ヶ崎の涌泉寺から瓜生山を遠望したもの。 ![]() 拡大写真。 どこにでもある山の形である。 |
これも![]() 今出川通の鴨川の橋から撮影 ![]() 拡大写真。一番手前の濃い色の山が瓜生山。 こんな瓜生山を詠んだ歌 |
ゆく人をとどめかねてや瓜生山峰たちならし鹿も鳴くらん | 藤原伊尹 |
霧も立ち紅葉も散れる瓜生山越えまどひぬる今日にもあるかな | 恵慶 |
とへと思ふ人の音せで瓜生山ひさしくなるはつらきわざかな | 赤染衛門 |
秋ことにたたみるよりはうりふ山我そのにやはなり試みぬ | 増基法師 |
瓜生山紅葉の中に鳴く鹿の声は深くも聞こえ来るかな | 元真集 |
瓜生山そのほどとのみたのめつつひさしくなるはつらきわざかな | 馬内侍集 | |
その頃には結婚しましょうと期待させながら久しくそのままになっているのはつれない 態度ですよ。男に対して瓜に字を書いて送った歌。(歌ことば歌枕辞典) |