すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


和深(和歌山県すさみ町)


紀伊半島を車で南下していくと、白浜を過ぎたら次は串本まで何もないという感じ。椿、周参見、見老津、日置といった町はあるが、大したことはない。海路でも同じで、白浜から串本までの間にはこれといった港がなく、天候悪化のときに船を避難させる港がないらしい。
このような航海が困難な場所を「灘」といい、沖から見ると岩がむき出しになった海岸が枯木に見えることから、「枯木灘」といった。



中上健次の「枯木灘」を読んだ。
路地裏でいろいろ起こることを、息が詰まるような重苦しい筆致で書きすすめられている。性、暴力、死がこれでもかってかんじで繰り返し登場し、正直、しんどかった。









さて、この地には熊野参詣道の大辺路が通っており、有名な峠越えの「長井坂」がある。この長井坂を詠んだ歌が土地の旧家に残されていたらしい。

和深山世に古道をふみたがえ まよひつたよう身をいかにせん 源 俊頼
和深山岩間に根ざすそなれ松 わりなくてのみ老やはてなし 藤原清輔
身のうさを思う涙は和深山 なげきにかかる時雨なりけり 西行
和深山は現在の双子山。
峠は和深山を越えていく。



※長井坂から眺望できる枯木灘の光景は、「古来文人墨客がこぞって絶賛した正に無双の絶景」(すさみ町HP)とのことだが、これらの歌には絶景の海が詠み込まれていない。





これが枯木灘!!!

実物はもっとすごい景色です。













このページを読み返しましたが、ワケが分かりません。





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