すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
若草山(奈良市)
仕事を休んで奈良公園の散策に来ました。 猿沢の池から東大寺を回り、春日大社を経て市街地に戻るという、奈良の初心者コースです。 奈良公園、そしてこの若草山と、遠足の小学生だらけでした。 |
子供のころ、よく連れてきてもらいました。
春日野は今日はな焼きそ若草のつまもこもれり我もこもれりも | 古今和歌集 |
春日野は今日は野焼きしないでおくれ。いとしい人も中に入り込んでいる、私も入り込んでいる |
若いカップルが草叢で密会しようとしたところ、ちょうど農民たちが野焼きの準備をしていた・・・といったところ。 「若草の」は「つま」に掛かる枕詞。 しかし、現在の若草山の名称はこの歌に因んだもの。 |
今も猶妻やこもれる春日野の若草山にうぐひすの鳴く | 宗尊親王 |
鎌倉時代のこの歌に至って、 若草山は固有名詞になり、 草叢に妻がこもっているのが、若草山を導く序詞のように使われている。 |
現在でも若草山は山焼きが行われ、奈良の観光行事となっている。