すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


妹背山(和歌山県かつらぎ町)






古代南海道は紀ノ川に沿って通っており、万葉時代は天皇の紀伊御幸のルートとされていた。そのなかで両岸から山が迫っている妹背山の光景は多くの歌人の詩情をそそり、約15首の万葉歌が残されている。

「妹背山」は紀ノ川を隔てて妹山と背山が向かい合っており、この二つの山は夫婦や恋人、あるいは兄妹とみなされ、これらを題材とした歌が詠まれた。

また、ここは畿内から紀伊国へ入る別離の地でもある。

現在、国道24号線沿いに道の駅「紀ノ川 万葉の里」があり、そこの駐車場からは妹背山がバッチリ見える。
万葉歌碑もいろいろ整備されている。


道の駅「紀ノ川 万葉の里」から妹背山を遠望

右手が背山
左の手前の濃い色の山稜が妹山



に恋ひ 我が越え行けば 背の山に恋ひずて あるがともしさ 万葉集 


道の駅「紀ノ川 万葉の里」に歌碑




人ならば 母の最愛子そ あさもよし 紀の川の辺の 妹と背の山 万葉集


国道24号線沿いに歌碑
経緯度(34.279898, 135.452816)




背の山に 直に向へる 妹の山 事許せやも 打橋渡す 万葉集


船岡山の厳島神社に歌碑






紀の国の 浜に寄るちふ 鮑玉あはびたま 拾ひりはむと言ひて 妹の山 背の山越えて 行きし君 いつ来まさむと 玉ほこの 道に出で立ち 夕卜ゆふうらを 吾あが問ひしかば 夕卜の 吾あれに告のらく 我妹子や 汝なが待つ君は沖つ波 来依す白玉 辺つ波の 寄する白玉 求むとそ 君が来まさぬ 拾ひりふとそ 君は来まさぬ 久ならば いま七日なぬかばかり 早からば いま二日ばかり あらむとそ 君は聞こしし な恋ひそ我妹 万葉集


道の駅「紀ノ川 万葉の里」付近の24号線沿いに歌碑




それから、紀ノ川の中洲に当たる船岡山の護岸壁にこんなんあった。



     よく見ると、
     
     だいぶ色が褪せてきているようだ

人ならば 母の最愛子そ あさもよし 紀の川の辺の 妹と背の山







この辺りの紀ノ川の風景は今も抜群!

いい写真が撮れたと思ってます


これは現地ではいい風景だと思ったが、写真で見ると普通の川の景色









道の駅のお土産

干し柿です

   

 











まだまだ未訪問の歌碑が残っていますので
再訪したいと思ってます。





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