すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
鷲羽山(岡山県倉敷市)
鷲羽山と言えば、横溝正史の岡山舞台作品の「悪霊島」の冒頭部分で、磯川警部と金田一耕助が落ち合う場所として登場。ここで金田一耕助は磯川警部から、「世にも奇怪なテープを聴き、証拠の指輪と、凄惨な死人の顔写真を見せられた」のである。 昭和40年ぐらいの話なので、当然瀬戸大橋もなく、麓の下津井までは軽便鉄道が走っていたようだ。 「悪霊島」では、鷲羽山からの風景を次のように描写している。 「金田一耕助の眼下には、いま、瀬戸内海国立公園のすばらしい景観がひろがっている。備讃の瀬戸はすぐ目の下だ。東は播磨灘から西は水島灘まで」 「瀬戸内海の靄は少しずつだが晴れていくようだ。さっきまで模糊とかすんでいた四国の 二人は石のベンチに座って話し込んでいたところ、若者が勝手にテープレコーダーをいじり始めたので、磯川警部が注意をしたのだが、この若者こそ磯川警部の実の子だったことが、のちに判明する。 金田一耕助は鷲羽山で一つの句碑を見つけている。 それがこの句 |
島一つ 土産に欲しい 鷲羽山 | 難波天童 |
この句碑は現在は第二展望台にあると聞いていたが、今回訪問し、いろいろと探したが見つからなかった。残念。 【現在の眺望】 ![]() これは瀬戸大橋のうち一番北側にある下津井瀬戸大橋。1447メートルの吊り橋。素晴らしい! ![]() 向こうに見えるのは櫃石島橋と岩黒島橋の連続斜張橋。各792メートル。素晴らしい! さらに向こうには南北の備讃瀬戸大橋の長径吊り橋が連続するのだが、小説同様に靄が架っていて判然としない。 パノラマの写真も撮ったので掲載する |
金田一耕助たちが見ていた同じ場所からの眺望であるが、世界に誇る瀬戸大橋が加わったため、現在の方が圧倒的に圧巻だと思う。 ![]() 歩ける範囲で探したが句碑は見つからなかった。 ![]() 二人が座っていたベンチ? |