すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


忘れ井(三重県松阪市)




こんなエピソードのある「ゆかりの地」が大好きだ。

どんなのかと言うと、ちょうど松阪市教育委員会がうまくまとめているので転載する。




わかれゆく 都のかたの恋しきに いざむすび見む 忘れ井の水 斎宮甲斐(千載和歌集)


 
この和歌は、斎王群行(さいおうぐんこう)に同行した官女甲斐の詠んだ歌である。
古代、天皇の即位ごとに伊勢神宮の斎宮へ斎王となる皇女が派遣され、その行列を斎王群行と言った。
天仁元年(1108)の卜定(ぼくじょう)(占いの儀式)により天永元年(1110)9月に群行が催された。
官女甲斐は、伝説上の斎王を除き、大来皇女から数えて49代目の斎王、当子内親王(在任期間1108〜1123)に従って壱志駅家(いちしうまや)(現松阪市曽原付近とする説と松阪市嬉野町宮古付近に当てる説とがある)の頓宮(とんぐう)に一泊し、この忘井を通った際、遠く都を離れはるばると伊勢の地に来て、望郷の念やみがたく涙とともにこの歌を詠じたといわれている。 
(松阪市教育委員会)











三渡川から伊勢街道を南下していくと、





「忘井之道」の石碑があり、そこを左折





ちょっと行くと左手に「忘れ井」の史跡がある。





櫓の下には井戸が見える。これが伝説の「忘れ井」。





中を覗くと、水は湧いていなかった。




伊勢参宮名所図会にも「忘れ井」は紹介されている。

(早稲田大学図書館)








34.60699, 136.51245
経緯度








他にもう二か所ほど「忘れ井」の伝承地があるそうです。









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