すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
『越中万葉をたどる』(高岡市万葉歴史館編)によると、万葉集で詠まれた「夜夫奈美」の里は、「荊波」と同じとされるが、古地図の「荊波神」の記述から、延喜式内の「荊波神社」だと推定されている。 現在富山県内には「荊波」の地名をつけた「荊波神社」は五社あり、そのうち三社が延喜式内だという。 その中で、同書は砺波市池原の「荊波神社」こそ万葉時代の「夜夫奈美の里」だと結論付けている。 ※現在では「荊波」は『うばら』と読む 【荊波神社(池原)】 ![]() 同書の写真では木々が生い茂った林の中に鎮座していたが、伐採されたようだ。 ![]() 右手の黒い石碑が万葉歌碑 ![]() 社殿。 北陸地方はこんなサッシの雪囲いの社殿が多い。 ![]() これも。 費用も相当かかるだろう。 夜夫奈美の里を詠んだ万葉歌 |
夜夫奈美の里に宿借り春雨に隠り障むと妹に告げつや | 大伴家持(万葉集) | |
夜夫奈美の里で宿を借り、春雨に降りこめられていると、いとしい人に告げてやったか 『越中万葉をたどる』(高岡市万葉歴史館編) |
大伴家持が国内を巡回した際、春雨の降る夜夫奈美の里で宿泊したときの歌。 周囲の様子 ![]() ![]() 一昔前の日本の農村の風景であった。 |