すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだに無きぞ悲しき | 中務卿兼明親王(後拾遺和歌集) |
太田道灌「山吹の里」伝説 鷹狩りに出掛けた帰り道に突然の雨に見舞われた太田道灌は、農家で蓑を借りようとしたところ、出てきた少女はうつむいたまま、山吹の一枝を差し出すのみ。 道灌はその意味が分からず、「自分は山吹を求めたのではない」とけげんな気持ちで城に帰り、家臣にその話をした。 すると、家臣から、 “七重八重、花は咲けども山吹の、実の(蓑)一つだになきぞ悲しき” という古歌で返答したのだと教えられた。 山吹は美しい花が咲いても実はつきません。娘は「家が貧しくてお貸しす る蓑さえもございません」と古歌にたとえて断ったもの。 道灌は己の無知を恥じてその後和歌を学び大成したという伝説である。 (参考:江戸東京博物館のHP) GoogleのAIによる解説 八重のヤマブキには実がつかないのは、雄蕊が花弁に変化し、雌蕊が退化したためです。そのため、八重の花は結実せず、挿し木や取り木などの栄養繁殖でしか増やせません。 太田道灌の「山吹の里」の伝承地は、東京周辺に何ヶ所かある。 |
@ | 山吹の里歴史公園 | 埼玉県越生町 | 歌碑、3000株の山吹の花 |
A | 日暮里駅前 | 荒川区西日暮里2 | 太田道灌騎馬像と少女像 |
B | 泊船軒 | 荒川区荒川7 | 「山吹の塚」 |
C | 神田川の面影橋北側 | 豊島区高田1 | 「山吹きの里」の碑 |
D | 山吹の里公園 | 豊島区高田1 | 歌碑 |
E | 甘泉園 | 新宿区西早稲田3 | 「山吹の井」 |
F | 六浦 | 横浜市金沢区 |
まとめてみたが、ABは同じエリア、CDEも同じエリアなので、伝承地としては4ヶ所に絞られる。 気になるのは、Aの日暮里駅前で、太田道灌と少女の像があるらしい。是非訪問したい。 今回訪問したのは@山吹の里歴史公園。春には3000株の山吹の花が咲き乱れるとのこと。 越生町は太田道灌ゆかりの地である。太田道灌の誕生の地と、父の太田道真退隠地と伝えられている。 ![]() 山吹の里歴史公園の入り口 丘を登ったところに展望台があるなど敷地は結構広い ![]() 「山吹の里」の石碑 ![]() 風情ある水車小屋 |