すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


山田(三重県伊勢市)




ふ〜ん、そうだったのか。

伊勢神宮の内宮が「宇治」で、外宮が「山田」

ふたつ合わせて「宇治山田」

もともと「宇治山田市」だったのを、周辺の自治体を含めて合併する際に「伊勢市」になったという。

ただし、現在では、単独で「山田」の地名を使うことは少なくなってきているようだ。









そんな「山田」を詠み込んだ歌。
詠み手が外宮を参拝した時に詠んだ歌のようだ。


神風や山田の原の榊葉に 心のしめを掛けぬ日ぞなき 越前(新古今集)
聞かずともここをせにせむほととぎす山田の原ののむら立ち 西行(新古今集)
影宿す山田の末葉さへ人をもわかぬ誓とを知れ 三条西行忠(とはずがたり)


杉がシンボルチックに詠まれている。





こんな伊勢の外宮に行ってきた。



(伊勢神宮のホームページより)









内宮に比べて地味だけど、
これが第一鳥居。





これが勾玉池。




御正殿
式年遷宮により平成25年からこちらになっている。




そしてこれが山田のシンボルである大杉。
本当に大きな杉であった。



どのくらいの樹齢なんだろうか。



うちの子ではないが、杉の大きさと比べるために撮影



「伊勢参宮名所図会」(外宮)

早稲田大学図書館より











何故、外宮が物足りないか、わかった。
外宮は、車で行くと神宮のすぐそばに駐車場があり、そのまま参拝できる。
少し遠いところに駐車場がある内宮に比べると便利至極であるが、内宮では駐車場と神宮の間におかげ横丁、おはらい町があり、お土産店巡りをできるのに対し、外宮のお土産店が集中する駅前の門前町は遠回りになる。
なんか外宮が素っ気ないのはこのためだろう。












松本清張の「砂の器」で、刑事の今西は被害者の足取りを調べるために伊勢市へ向かった。
「今西には、伊勢市というと、どうも気持ちにぴたりと来ない。昔から言いならされた宇治山田市のほうが、いかにも伊勢参宮に来たという気持ちがするのだ。」

現在では普通に伊勢市だろう。 






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