すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


山中(岐阜県関ケ原町)




「山中」って、、、

なんて分かりやすい単純な名前なんだ!

中山道の山中やて







山中は中山道の関ケ原宿と今須宿の間にある間(あい)の宿。

それほど大きくなかったようで、今となっては殆ど無名に近い。

街道沿いの町並みにそれとなく往時の面影を窺うことができる。








『ここは 旧中山道 間の宿 山中』の標柱






現在でもここは交通の要衝地である。

旧道の近くに、
「東海道新幹線」「東海道本線」「名神高速道路」「国道21号線」がひしめき合っている。




そして、この辺りには和歌にちなんだ故地も多い。
山中には「黒血橋」「鶯の滝」「常盤御前の墓」があり、少し東には「藤の関川」「不破の関」がある。
たぶん探せばもっと出てくるのだろう。



では、「山中」を詠んだ歌の紹介


時鳥おのが五月の山中に おぼつかなくも音をしのぶ哉 一条兼良(藤川の記)

この歌の本歌

をちこちの田づきも知らぬ山中に おぼつかなくも喚子鳥かな 古今和歌集



古今和歌集の方は、「深い山の中でカッコウ鳥が不安気に鳴いている」」といったところか。この場合の「山中」はどう考えても一般的な「山の中」だろう。まさか中山道沿いの小さな町を念頭に置いたことはないだろう。

「藤川の記」に方は美濃国へ旅行した際の紀行文であり、まさに間の宿「山中」辺りで詠んだようだ。

う〜ん、これ以上書くことがない。





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もっと気の利いた地名だったら、ここはもっと何かになっていただろう





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