すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


柳川(福岡県柳川市)





柳川は、古代からそれなりに存在感ある地域であったものの、歴史上、文芸的なものとは縁遠く、まさに「古詠聞かず」の地であったが、ようやく近代になって北原白秋が登場し、ふるさと柳川への望郷の思いを歌い上げたことから、一躍「明治の文豪ゆかりの地」と認められ、現在では水郷の風景とともに「詩情豊かな」柳川として、なんと町じゅうに歌碑や文学碑が林立するに至っている。


上の文章、書いていて何が何だか分からないが、とにかく柳川は「北原白秋」一色であった。





北原白秋の生家

白秋は海産物問屋を営む旧家で生まれた。
現在は北原白秋記念館となっている。







望郷の詩、「帰去来」は有名であるが、現在でもどこかの合唱団が定期的に歌っているらしい。


山門(やまと)は我が産土(うぶすな)
(あが)る南(はえ)のまほら
飛ばまし 今一度(いまひとたび)

筑紫よ かく呼ばへば 
()ほしよ潮の落差
火照沁む夕日の潟

()ふるに 早やもこの眼
見ざらむ また葦かび
籠飼(ろうげ)や水かげろふ

帰らなむ いざ(かささぎ) 
かの空や(はじ)のたむろ
待つらむぞ今一度

故郷やそのかの子ら 
皆老いて遠きに 
何ぞ寄る童ごころ
帰去来(北原白秋)








水郷の風景


















こんな柳川を詠んだ歌


色にして老木のやなぎうちしだる我が柳河の水のゆたけさ 北原白秋


柳河は城を三めぐり七めぐり 水めぐらしぬ咲く花蓮(はちす) 北原白秋


水のべは柳しだるる橋いくつ 舟くぐらせて涼しかりにし 北原白秋


我つひに還り来にけり 倉下や 揺るる水照(みでり)の影はありつつ 北原白秋


火のうしほ世をも人をも焼かむとす恋にさも似る君が家(や)の酒 吉井勇


帰去来の詩碑にゆたけく酒そそぐ祭も過ぎし柳河に来ぬ 初井しづ枝


黒き眼鏡のおもかげとほしかの日来てこの生家跡になげきたまひき 木俣修




主だったものを並べてみたが、白秋は水郷や川下りの舟の情景を詠んでいる。
そのほかの歌人は、白秋ゆかりの地として柳川を詠んでいる。














柳川鍋は柳川と関係あるのでしょうか?






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