すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
也良岬(福岡市西区)
也良岬は「やらのさき」と読む。 博多湾に浮かぶ能古島の北端の岬。 遠く玄界灘まで一望できる。 古代には朝鮮半島からの敵の襲来に備えて、防人が設置されていた。 え〜と、実は現地に訪問しておらず、飛行機の中から写真を撮っただけなので、これ以上コメントしようがない。 2019年8月16日、関西空港からピーチに乗って北九州の旅に出た。 なんと前日は台風15号が中四国を縦断し、影響で西日本の航空路線はほぼ全便が欠航した。そして翌16日朝は機体繰りの都合からピーチの福岡行き二便のうち一便が欠航する中、ラッキーなことに私の予約していた便は時間通りに関西空港を離陸した。 ただし前日の台風の影響で上空の大気が乱れていたようで、とても恐ろしげなフライトであった。 ![]() ピーチの機体、関空にて ![]() 玄界灘 ![]() 真ん中に見えるのは志賀島。 ![]() 海の中道が見えてきた。 ![]() 下から海の中道、右の島が志賀島、左の島が能古島。 ![]() 能古島の北端が也良岬。矢印のところ。 ![]() そうこうしているうちに、筥崎宮が眼下に見えてきて、福岡空港に到着した。 也良岬を詠んだ歌 |
沖つ鳥 鴨とふ船の 帰り来ば 也良の防人 早く告げこそ | 山上憶良(万葉集) |
沖つ鳥 鴨とふ船は 也良の崎 廻みて遭ぎ来と 聞え来ぬかも | 山上憶良(万葉集) |
荒男という船乗りが、対馬に食糧を運ぶために出港したところ、あいにく悪天候になって舟が沈没して死んでしまった。 山上憶良が、死んだ荒男の残された家族の気持ちを詠んだ歌。 「鴨」は鳥ではなくて、舟の名前。 舟が帰ってきてほしいと願う内容。 源実朝も詠んでいる |
やらのさき月影さむし沖つ鳥鴨といふ舟うき寝すらしも | 源実朝 |
浮き寝と憂き寝を掛けているようだ。 |
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