すさまじきもの ~歌枕探訪~


安の野(福岡県筑前町)





君がため 醸みし待酒 安の野に ひとりや飲まむ 友なしにして 大伴旅人(万葉集)



筑前町公民館支館に歌碑
(筑前町篠隈339−1)


ここの町名の筑前町は、旧国名を用いていて、なんともスケールの大きな町名だと、ふと思った次第。
しかしネットで調べてみると、びっくりするようなことではなく、全国各地に旧国名を採用した市町村があった。そういえば小生の居住地も和泉市である。
さて筑前町は、2005年に旧夜須(やす)町と三輪町が合併してできたのだが、夜須の音は今回の万葉故地「安野(やすの)」に通じる。そもそも夜須町は1908年に安野村等が合併したもの。
この辺りは昔からヤス、ヤスノという地名が幅を利かせていたのだろう。



さて大伴旅人の万葉歌は、都にに帰任する友人に対し、「一緒に酒を飲もうと思って待っていたが、貴方は去っていくので、これからは安野で一人酒だ」という内容。
意味としてはよく分かる。飲み友達がいなくなって寂しいのだろう。けれどもそれがどうして安野の地なのかよく分からない。安野は大宰府に近いのだが、その名の通り野原だったはずで、ここに都の貴族たちが飲むような所があったのだろうか。



そんなことを考えながら元 安野村、前 夜須町、現 筑前町を訪問。


筑前町公民館支館。ここで万葉歌碑を撮影。



ふと目に入ったのが、酒のディスカウントショップ。

個人的な話であるが、職場近くで飲んだあと、1時間20分かけて家に帰るのがとてもつらくなってきた。50歳を過ぎてからは、帰る途中の記憶がなくなったりして大変である。そのため最近は専ら家飲みの一人酒である。スーパーでアテを買ってきて、一人飲む酒は本当に最高である。



「安の里公園」があった



橋の名前は「安の里橋」



野原の風景





















芋焼酎のお湯割りが好きです






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