すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


安良の里(やすらのさと)(滋賀県草津市)







安良(やすら)という、実に幸福な地名のため、大嘗会和歌の詠進地として何度も選ばれたようだ。

この安良の里のは近江国栗太郡にあったと伝わるが、現在の滋賀県草津市と栗東市には三つの安羅(やすら)神社がある。

和歌の歌枕地名大辞典では、穴村町の安羅神社を比定地としていた。

安羅は、もともと朝鮮半島の地名らしく、六世紀半ばに安羅から渡来した人々が近江国に入植して地名となったという説がある。








安良の里を詠んだ歌


長和元年(1012年)大嘗会、三条天皇

諸人の願ふ心の近江なる安良の里の安らけくして 夫木和歌抄





天仁元年(1108年)大嘗会、鳥羽天皇

八隅知る我が大君の御代にこそ いとどやすらの里も富みけれ 顕輔集

早苗採るやすらの村の五月雨に 天が下こそ賑ひにけれ 江師集





これはいつの大嘗会の歌だろうか
何事もゆたのたゆたにおほくのみ やすらの村やすらけきかな 藤原実政















■ 現地へ訪問




この航空写真の通り、この辺りは田んぼの中に集落が点在している。

安良の里は、安羅神社を中心とした集落である。



南西方面から安良の里を撮影
集落の周りは田畑が広がっていた



もっと接近してみた
この写真では新しい家も見えるが、集落の中は伝統的な家屋が多かった



集落の中心に鎮座する安羅神社



集落の中
用水が縦横に流れていた



これも



これも









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この集落の人々は現在も農業を営んでいるのだろうか
その子息らは農業を継ぐのだろうか
いろいろ気になります





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