すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


矢田野(福井県敦賀市)






【後日談】

下記の『独断と偏見の考え』が間違っていたことが判明。
正解、というか、その後に分かったことは、次章の「愛発山」の頁に書いています。
それらを踏まえて、このページをご笑覧ください。

 








独断と偏見で考えると、歌枕の矢田野は、敦賀市の疋田の辺りのことだろう。
簡単に理由を言うと、
・越前の歌枕の愛発山とセットで詠まれることが多い
・このため矢田野も同じく越前にあるのだろう
・愛発山は福井滋賀両県の県境の乗鞍岳だとされている
・矢田野は愛発山の麓だとされている
・乗鞍岳の越前側の山の麓にある平地は疋田しかない
(グーグルアースで見るかぎり)


こんな推測をするのは、矢田野がどこなのか、誰も興味がないようで、単に「愛発山のすそ」と説明があるだけで、矢田野の現在の場所を特定するような記事に出会ったことがないから。
たぶん地元の郷土研究家の人たちはそれなりの知見を持っているのだろうが、敦賀市の図書館にでも行かないかぎり、そんな情報に出会うことはない。

ただ、矢田野を詠んだ歌を並べてみて感じたのは、詠み手にとって矢田野は結局どこであっても関係ないというか、愛発山でさえ越前の山であればよくて、また実際に愛発山を見た人は少ないのではないだろうか。


万葉集に愛発山と矢田野を詠んだ歌がある。

矢田の野の浅茅色づく有乳山峰の沫雪さむくふるらし 万葉集

矢田野では木々が紅葉になってきた、愛発山では雪が降り始めているだろうと、作者本人は矢田野にいて紅葉を見、奥の愛発山に雪が降っているのを推測している歌。
この万葉歌が愛発山と矢田野のイメージを決定し、後世多くの歌に影響を与えた。


矢田の野に浅茅色づくあらち山嶺のあわ雪寒くぞあるらし 柿本人麿(新古今集)
矢田の野に霰ふりきぬあらち山嵐も寒く色かはるまで 藤原家隆
あらち山やたのの野べも春めきぬ峰のあは雪きえやしぬらむ 後鳥羽院
矢田の野に打出でてみれば山風のあらちの峰は雪降りにけり 藤原為家
あらち山みねのあは雪ふるままにやたのの浅茅うちしぐれつつ 九条道家
あらち山みねのあは雪きえなくにやたの野原は若菜つみけり 飛鳥井雅有
有乳山あさたつ雲のさゆるよりやた野をかけてふれる白雪 足利尊氏
あらち山峰の白雪やたののに浅ぢをかけてうづむ比かな 正徹
夕立のふりくる音のあらち山矢田野をかけて風ぞはげしき 後土御門天皇
矢田の野や浦のなぐれに鳴千鳥 凡兆
矢田の野の色つく浅茅をしなへて白くも露の吹嵐かな 建保二年八月十六日歌合
参考ホームページ:やまとうた


疋田の風景写真


国道8号線、疋田付近



ただ単に、国道8号線を走っていて、疋田付近で車を停めて、前後の風景を撮っただけ。



もっときっちりと探したら、なにかあるのかな?











このページ、読み返してみましたが、
よく分からない内容になってます







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