すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


(京都市伏見区)





宇治川、木津川、桂川の合流するところは川幅が広くなり、水流が複雑になり、水が淀んでいるように見えるため、この辺りを淀と呼んでいた。現在の京都市伏見区淀町付近である。ただし豊臣秀吉をはじめ、何度も河川の流路の改修が行われた結果、現在では三川の合流地点はかなり下流に移動してしまった。





「淀川三川合流域 さくらであい館」の展望塔から下流方向を望む

左が木津川。右が宇治川。この写真では見えないが更に右に桂川が流れている。
正面は桜で有名な背割堤。






淀を詠んだ歌


真薦(まこも)刈るの沢水雨ふれば常よりことにまさる我が恋 紀貫之(古今和歌集)
まこも=イネ科の植物


よく分からないが、男の恋心を詠んだ歌らしい。雨が降れば淀川が増水するように恋心が募る、という感じ。

派生歌がある。

まこも刈るの沢水ふかけれどそこまで月のかげはすみけり 前中納言匡房
 マコモを刈っている淀の辺の沢水はこの五月雨に深くなっているが、
底まで月の光は澄み透っていることだ。(新日本古典文学大系)
 





河原に生い茂っていたマコモがモチーフになっている。
さらに、

山城若薦(わかごも)かりにだに来ぬ人たのむ我ぞはかなき 古今和歌集












都名所図会 「淀」

国際日本文化研究センター











このページ、さらっと作りました。






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