すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
毛虫焼くまひるの火立つこれやこの秩父寄居のましろきそらに | 宮沢賢治 |
つくづくと「粋なもやうの博多帯」荒川ぎしの片岩のいろ |
1916年、宮沢賢治は地質学の巡検旅行に参加し埼玉県秩父地方を訪れた。 寄居町では荒川の立ヶ瀬断層などを見学。 上掲の二首のうち、「毛虫焼く〜」は寄居町で詠んだもの。 「毛虫焼く」は夏の季語らしいが、気持ち悪い。 ![]() 歌碑の場所から荒川を望む。 ここら辺りの荒川の川岸は「玉淀」と呼ばれる景勝地らしいが、この写真だけでは分からない。真夏に行ったので、木々が繁茂していて川の流れを見渡せなかった。 上掲「つくづくと」の歌は、はここから荒川を上流へ上ったところの「長瀞の虎石」を詠んだものと思われる。 片岩の模様を博多織と表現しているのが奇抜だ。 |