すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


吉田神社(京都市左京区)




吉田神社の創建は相当古く、歴史の霧の彼方にある。
それは由緒正しき平安京の守護神としての役割があったとされる。
なんだかよく分からないが、
二十二社(下八社)の一社で旧社格は官幣中社。


そんな吉田神社は、左京区の京都大学キャンパスの東側にある吉田山にある。
都名所図会によると、昔から吉田山は「神楽岡」と呼ばれていて、それは神代のころ、天照大神が天の岩戸に入った折に、八百万の神々が岩戸の前で神楽を奏したことにちなみ名付けられたとある。

和歌でも「神楽岡」で詠まれている。

君が代を祈るいのりの神楽岡松も千年の色やそふらん 衣笠内府


露霜のふれる音のみさやぐなり神楽をかべのすずの篠原 道興



「吉田」で詠まれた歌もある


万代を早四かへりの霜をへて たえぬ吉田の神祭りかな 兼熙(新続古今和歌集)







【吉田神社へ訪問】


京大キャンパスに挟まれた道がかつての参道



道の右手にも、



左手にも京大があって、あんまり縁がなさそうな場所であった



その先に小高い岡が見えてきたのが吉田山、またの名を神楽岡



鳥居も見えてきた
吉田神社は吉田山の中腹にあり、石段を上っていく。



この日、吉田神社では日本人と外人のカップルの結婚式があった。



結婚式参列メンバー以外に参拝客はいなかった



よく分からないが、雑誌に載せられるような構図の写真が撮れた



斎場所大本宮という末社
それなりに由緒があるらしい。






境内には、次のような歌碑や句碑があった。


枝うつり ほがらに呼ばふ 小鳥らと 詣でに来つれ 神います丘 平井乙麿







神丘に 啼く鶯の 揩スけて 鈴鹿野風呂








ほかに、こんなのもあったが、誰のものか分からない








都名所図会「神楽岡 吉田社」

(国際日本文化研究センター)













飛鳥の「山田寺」もそう、
ここも「吉田」ではなく、もう少し凝ったような名称だったら、
それなりの印象になると思います。







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