すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


秋津(奈良県吉野町)

熊野古道の道筋の和歌山県田辺市にも「秋津」なる故地があるが、こちらは奈良県吉野町のもの。


古代日本の離宮であった吉野宮については、現在の吉野町宮滝あたりにあったとされている。
万葉時代から数多の歌人によって吉野宮を讃える歌が詠まれてきたが、歌の中には吉野宮を取り巻く地名が詠み込まれたものが多い。
この「秋津」も吉野宮周辺の地名として詠まれている。

と言って、現在のどこなのか、よくわからない。
他のホームページでは御園から楢井にかけての地域だと比定している。

とりあえず今回はその辺りに訪問した。




吉野川は前夜の大雨で濁っている。


吉野町立老人福祉センターの中荘温泉周辺


 み吉野秋津の川の万代に絶ゆることなくまたかへり見む 万葉集
秋津に流れる吉野川。これからもずっと流れるのだろう。また見にこよう。


 「秋津」とはトンボのこととか、むかしむかしの日本を「秋津島」と呼んだとか、いろいろあるけれども、今回あまり深入りしないこととする。


瀧の上の三船の山ゆ秋津辺に 来鳴きわたるは誰呼子鳥 万葉集
激流のほとりの三船の山から、秋津の方に鳴き渡って
くるのは、いったい誰を呼ぶ呼子鳥であろうか


中荘温泉の玄関前に歌碑













万葉故地に興味がない人にとっては全く退屈なところだと思います。







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