すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


吉和(広島県尾道市)







日も暮れぬ夕潮遠く流れ(あし)(よし)が磯に宿や借らまし 今川了俊(道行きぶり)




「人間は考える(あし)である」て、誰が言ったのか知らないが、葦はイネ科の多年草で河川際に群生している。ただしアシは「悪し」に通じるためヨシという呼び名ができて、現在ではアシでもヨシでもどちらでも通用する。


この歌は、潮に乗って流れてきたアシを見てインスピレーションを起こし、ヨシに通じる吉和で今夜は宿を借りようとなったもの。まさに善し悪し(よしあし)の歌である。


「吉和」という地名でなかったら、流れ(あし)を見ても、何ら詩情は湧かなかったことだろう。









■ そんな吉和の現在の姿


吉和漁港




ここに着いたのは夕方。漁船がいっぱいあった
漁は早朝なのかな




吉和の漁港から西方面を望む



この日はアシもヨシも流れていなかった
















知人にアシダさんもヨシダさんもいます





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