すさまじきもの 〜歌枕
★
探訪〜
吉和
(広島県尾道市)
日も暮れぬ夕潮遠く流れ
蘆
(
あし
)
の
吉
(
よし
)
和
が磯に宿や借らまし
今川了俊
(道行きぶり)
「人間は考える
葦
(
あし
)
である」て、誰が言ったのか知らないが、葦はイネ科の多年草で河川際に群生している。ただしアシは「悪し」に通じるためヨシという呼び名ができて、現在ではアシでもヨシでもどちらでも通用する。
この歌は、潮に乗って流れてきたアシを見てインスピレーションを起こし、ヨシに通じる吉和で今夜は宿を借りようとなったもの。まさに
善し悪し
(
よしあし
)
の歌である。
「吉和」という地名でなかったら、流れ
葦
(
あし
)
を見ても、何ら詩情は湧かなかったことだろう。
■ そんな吉和の現在の姿
吉和漁港
ここに着いたのは夕方。漁船がいっぱいあった
漁は早朝なのかな
吉和の漁港から西方面を望む
この日はアシもヨシも流れていなかった
知人にアシダさんもヨシダさんもいます
copyright(C)2012
すさまじきもの〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜
all rights reserved.