すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
弓月が岳(奈良県桜井市)
万葉故地、弓月が岳。 参考図書を読むと、いろんな文字が当てられている。 斎槻嶽 由槻嶽 最初は弓月が岳とは別の山のことかなと思っていた。 なお、山の特定については、「巻向山」の二つの頂上のうち、高い方(南の方)というのが大半の見方となっている。 「大和万葉旅行」の地図。 それでは「弓月が岳」と思える山塊の、連続写真 (山辺の道を天理から南へ歩いてきたときに、多分この山だろうと思って連続撮影したもの) この写真の中で、一番高い山が「巻向山」 「弓月が岳」はまだ見えない ちらっと尖がった山頂が見えてきた なんとなく山頂がふたつ。 ゆるやかな山頂と、尖った山頂 二つのピークが鮮明になってきた 尖がった山が「弓月が岳」(と思う)。 手前の山(巻向山?)に隠れていた「弓月が岳」が南下するごとに姿を現してきて、最後の写真では見事な独立峯のような感じになっている。 まー、最後の写真の尖がった山、これこそ「弓月が岳」で、その左の山が「巻向山」だろう。 |
玉かぎる夕さり来れば猟人(さつひと)の弓月が岳に霞たなびく | 柿本人麻呂(万葉集) |
あしひきの山川の瀬の鳴るなへに弓月が岳に雲立ちわたる | 万葉集 |
痛足川(あなしがは)川波立ちぬ巻向の弓月が岳に雲居立てるらし | 柿本人麻呂(万葉集) |
手元にあった万葉集の「弓月が岳」の歌を三つ並べてみたが、どれも雲があったり霞がたなびいている風景を詠んでいる。 今回、訪問したのはゴールデンウィークの真っ最中。 雲ひとつない鮮やかな快晴であった。 |