すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


瑜伽(ゆうが)神社(奈良市)




< 小ネタ >


元興寺にちなんだ和歌の歌碑が瑜伽神社の境内にあるという情報を得て、奈良公園散策の際に立ち寄った。


民家の間の細い道を進んでいくと、こじんまりと瑜伽神社がたたずんでいた。他に観光客はいなかった。


こんな感じで、石段を上っていく。


立派な社殿があった。閑散としていた。


平城京への遷都の際に、飛鳥京から遷されたとのこと。


元興寺ゆかりの歌

ふる里の飛鳥はあれど青丹よし 平城の明日香を見らくしよしも 大伴坂上郎女(万葉集)
 (私訳)明日香の元興寺も良かったけど、奈良の元興寺も良いよ。


境内に歌碑





元興寺も同様に、平城遷都で飛鳥京から遷ってきており、どうやらセットでやってきたらしい。瑜伽神社は元興寺の北東に位置し、元興寺の鬼門を守るための鎮守社とした存在だったという。

元興寺を見下ろす高台にある瑜伽神社からは、遠く飛鳥まで見渡せたのだろう。









境内にもう一つ、歌碑があった。


春は又花にとひこん瑜伽の山 けふのもみぢのかへさ惜しみて 藤原良材
 紅葉狩に来た作者が夕陽に映える紅葉の美観に感嘆し尚も去り難い思いで
春には又ここへ来て花見をしたいものだとの意を詠んだ歌。
(歌碑の説明書きより)




作者の藤原良材は江戸時代末期の人で、奈良奉行を勤めた。
歌の通り、ここは春の桜も秋の紅葉も素晴らしかったようで、説明書きによると、「奈良十六景」に『瑜伽山の桜』と『瑜伽山の紅葉』の二景が選ばれたとのこと。



今回、私が訪問したのは10月初旬で、ちょっと紅葉には早すぎた。












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