すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
鶴岡八幡宮は、もともと由比ヶ浜の近くの鶴岡という地に建立された。 源頼朝が現在地へ移転させたが、元あった場所は「元八幡」と呼ばれていた。 由比ヶ浜には、大きな鳥居が建てられ鶴岡八幡宮に参道が伸びていた。 この大鳥居は由比ヶ浜のシンボルとなり、鎌倉時代の文学作品に登場している。 鎌倉時代の紀行文、「海道記」 「由比の浜というところへ出でみれば、大きなる鳥居あり。若宮の御社はるかに見え給へば・・・」 鎌倉時代、後深草院二条の 「とはずがたり」』 「申の斜に湯井の浜に落ちつきぬ。(中略) 御霊の鳥居の前に日を暮らして後、若宮大路より宿所につきぬ。・・・」 さて、室町時代に旅僧として鎌倉を訪れた道興准后も由比ヶ浜で鳥居を見ている。幕府が京都に移った後は鎌倉も衰退していき、一の鳥居も朽ち果てていたようだ。 「由井か浜にまかりて、鳥居など見侍りて、暫く皆々あそび侍りけるに、」 |
朽ちのこる鳥居の柱あらはれてゆゐの浜べにたてる白浪 | 道興准后(廻国雑記) |
現在は陸地が前進したのか、海岸線から500メートルぐらい内陸の若宮大路に一の鳥居が立っている。 残念ながら、車で通り過ぎたあとに気付いたので、現在の一の鳥居の写真は無し。 ■ 現在の由比ヶ浜の様子 ![]() 大雨で強風だった。 ![]() 稲村ヶ崎の方向。 ![]() 和賀江島の方向。 |