すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


湯川温泉(和歌山県那智勝浦町)


若い頃は自称「文学青年」で、反自然主義だ、耽美派だとか言ってたような気がする。
とは言え、日本耽美派の旗手の佐藤春夫の著書は、たしか「田園の憂鬱」と「西班牙犬の家」だけしか読んでない。しかも全く内容の記憶がない。


その大正の文豪、佐藤春夫のゆかりの地として有名なのが湯川温泉。佐藤春夫は和歌山県新宮市の出身で、よく湯川温泉にも遊びに来ていたらしい。
勝浦温泉のようにメジャーではないが、熊野古道の湯垢離場として中世からよく知られていた、玄人好みの温泉地。


湯川温泉は「ゆかし潟」の畔にあるが、ゆかし潟の名付け親は佐藤春夫だそうだ。


ゆかし潟は海水と淡水の混じった汽水湖で、本当に静かで、その名の通り“ゆかしかった”。


ゆかし潟。写真の腕が悪いが、実際はこの写真の10倍ぐらいの“ゆかしさ”があった。


国道沿いにある案内板。「佐藤春夫命名」とある。




なかなかに名告ざるこそ床しけれゆかし潟ともよはゝ呼はまし 佐藤春夫


ゆかし潟の緑地から国道を渡ったところに歌碑



 椰子一樹 花をよそなる宿の前  高浜虚子


ゆかし潟の緑地から国道を渡ったところに句碑















 






ゆかし潟はゆかしかったのですが、
そばを通る国道24号線は車でいっぱいでした。






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