すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


雪ノ下(ゆきのした)(神奈川県鎌倉市)







春深き跡あはれなり苔のうへの花にのこれる雪の下 法印堯恵(北国紀行)
春も深くなったこの証跡は趣のあることだ。苔の 上に散った
花吹雪の残る雪の下の道よ(神奈川県立図書館HP)  




鶴岡八幡宮の『反り橋の南の三の鳥居前あたり』を「雪ノ下」という。

源頼朝のために冬季に雪を貯蔵した氷室がここにあったらしい。

現在でも「雪ノ下」という地名が鶴岡八幡宮を中心としたエリアに残っている。

実に魅力的な地名である。

詠み手の法印堯恵は、室町時代の天台宗の僧侶。二条派の歌人であり、諸国を回って歌を詠み、紀行文を残している。

1487年の春に法印堯恵は相模国に至り、鎌倉を巡遊している。









■現地訪問


「三の鳥居」、鶴岡八幡宮の入り口にあたる。



大雨だったが多くの観光客で込んでいた。



鳥居前の辺りが「雪ノ下」、この辺りだろう



鳥居から海方向



西側から鳥居を撮影



鳥居の北側にある反り橋、現在は「太鼓橋」













氷室って、冬に降った雪を夏まで貯蔵するところなので、
山の中の北面の谷地などにあるものと思ってました。





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