すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


由利公正宅跡(福井県福井市)







坂本龍馬は、京都の近江屋で暗殺される前、二度にわたって越前福井を訪れている。

福井では、横井小楠と共に由利公正宅を訪ね、三人で飲み交わしている。

この宴席で坂本龍馬が詠んだ歌が伝わっている。


君がため捨つる命は惜しまねど 心にかかる国の行く末 坂本龍馬


由利公正宅跡に歌碑




え〜、たしかに坂本龍馬はまさにこの場所で歌を詠んだのだけど、ここは由利公正の宅跡で、しかもなお、由利公正自身が維新の功臣なのだから、当然由利公正が詠んだ歌の歌碑が優先して設置されるべきだと、ちょっと違和感を覚えた。


由利公正は歌を詠まなかったのかな?


そんなことを考えていたら、道を挟んだ向かいに由利公正の立派な銅像があるのが見えた。



これは立派な銅像だった



近くに行って、坂本龍馬の銅像でないことを確認








■周りの様子




「由利公正邸跡」は堤防の上にあった



「由利公正邸跡」の石碑
「この付近は、明治政府初代の財政担当者として、また五箇条の御誓文の起案者として知られている、福井藩出身の逸材由利公正の宅跡である。彼は在藩時代三岡八郎と称してここに居を構えていたが、幕末維新の大立物坂本竜馬や福井藩の賓師として名声のあった横井小楠が彼を訪ねて、ここに足跡を印したことがある」



史跡の傍らにある幸橋。歴史的な事跡のある橋らしい



幸橋(左)と福井の市街地方面
訪問したのは2023年。翌年の北陸新幹線延伸があり、駅前は建設ラッシュであった




現地にあった案内板によると、実は由利公正の邸宅は現在の足羽川の川筋にあったが、川の付け替えにより堤防上に史跡を移したようだ。



由利公正は明治新政府の五箇条の御誓文の原文を起草した、云々の説明板があった












北陸新幹線が敦賀まで延伸したら、福井と関西の関係はどうなるのだろうか





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