すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


勇崎(岡山県浅口市)







さえ渡る浦風いかに寒からむ千鳥むれゐるゆふさきの浦 西行(山家集)


神のます浦々ごとに漕ぎすぎてかけてぞいのる木綿崎の松 藤原高遠





「勇崎」は岡山県倉敷市の地名で、玉島地区にあることから「玉島勇崎」の住所である。

「勇崎」の『崎』は岬に通じ、海辺の地名だ。

『勇』は「木綿(ゆう)」、もめん、コットンから転じたものであるが、この辺りに木綿畑があったという説、難破した船から大量の木綿が漂着したところという説がある。

さて地図を見てみると、現在の「玉島勇崎」は干拓地に当たり、有名な塩田があったところで、昔は海だった場所。そんな海の上に地名があった訳でないので、オリジナルの「勇崎」を探していたところ、それほど離れていない浅口市金光町に『木綿崎山』を発見。

そこは幕末に生まれた神道系の新宗教、金光教の発祥の地で、『木綿崎山』は金光教本部の裏山に当たり、歴代教主の霊地となっていた。




国土地理院の識別標高図を加工



私の住んでいる大阪には同じ神道系の天理教の施設が多くあり、知人もいるが、金光教については今まで意識すらしたことがなかった。

このため、今回は金光教の本部などを見学してみようと訪問したところ、なにかの祭事の日なのか、車を停めることができなかった。



金光教の本部、この背後に木綿崎山がある



これが木綿崎山
かつては海に突き出た岬だった




GoogleEarth、北側から望む、金光教本部施設の背後に木綿崎山
















お土産は「ゆうざき饅頭」!









なんと、のし紙には上掲の藤原高遠の歌が記載されている!




菓子司 小川屋

岡山県浅口市金光町大谷294-1









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