すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


夕日の浦(京都府京丹後市)





関西では冬場に日本海へカニを食べに行くという習慣がある。
兵庫県の城崎温泉がメジャーであるが、丹後半島の温泉地にも多くの観光客が訪れる。
その中で夕日ヶ浦温泉は地域で珍しい夕日が楽しめる温泉地として近年人気が高まっている。


夕日ヶ浦温泉は、西端の久美浜から続く丹後砂丘が東北へ弧を描いて伸びた先に所在し、海との位置関係から温泉地の西側に海を隔てて夕日が沈む。
夕日の美しい景勝地として日本の夕日百選に選ばれている。


ここは元々砂丘海岸の東の端という意味で、「浜詰」という地名であったが、40年前に温泉を掘り当てたときに「夕日ヶ浦温泉」の愛称をつけたもの。日本版サンセットビーチだろう。


ただし江戸時代の地誌にも「夕日浦」の地名が見えるので、昔から夕日がきれいな名所であったようだ。また別名で「常世(とこよ)浜」と紹介されているが、常世とは海の向こうにある蓬莱島のことで、水平線に沈む夕日に不老不死を祈願したのだろう。







夕日の浦や常世浜を詠んだ数首の歌が残っている。


神風や夕日の浦の沖つ波 立ちゐしば鳴く浜千鳥かな 藤原忠通


来ても問へ帰ると思へば下紐の 夕日の浦のかひもなき哉 夫木和歌抄


雲かこひ影戸ひらき我をれば とこよの浜の浪かと聞ゆ 仙覚抄






残念ながら、訪問したのは8月のの海水浴シーズンだったので駐車場に駐められず、と言って、真昼に行っても夕陽は見れないので、素直に訪問を諦めた。


なんとか国道の橋から砂浜が見えたので一枚だけ写真を撮った。


これが夕日の浦そして常世浜















夕日ヶ浦温泉に間人(たいざ)ガニを食べに行きたいです






copyright(C)2012 すさまじきもの〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜 all rights reserved.