すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


藤崎宮(熊本県中央区)






藤崎の軒の巌に生ふる松 いま幾千代の子の日過ぐさむ 清原元輔


藤崎八旛宮に歌碑


<現地の案内板より>
元輔は、寛和二年(986)京都から肥後守として着任し、永禄二年(990)まで肥後の国府(現在の二本木町)で政務を執った。ある年の正月、今の藤崎台球場の地にあった藤崎宮で「()の日の松」の行事を催し、この歌を詠んだので、それにちなんでこの歌碑が建てられた。書は藤崎宮 宮司 吉永千秋である。元輔は枕草子の作者、清少納言の父で、元輔を祀った清原神社は、横手町北岡にある。



古語辞典によると、「()の日の松」とは正月に長寿を祈って引き抜いて植える松とのこと。藤崎宮にあった松の古木を見て長寿を寿ぐ歌を詠んだのだろう。

現在の藤崎宮は白川の畔に鎮座しているが、もともとは熊本城の西隣の藤崎台球場の地にあったとのことで、西南の役で焼失したので移転してきたとのこと。

つまり、清原元輔が詠んだ藤崎の松は、現在の藤崎宮の松ではないのだが、藤崎宮に元輔の歌碑があるというので、訪問することになったもの。
(尚、正式には藤崎八旛宮。そして「八幡」ではなく「八旛」)






■藤崎八旛宮 ・・・ 熊本市中央区井川淵町3-1


参道



楼門



楼門から入ると回廊に囲まれた境内があって、社格の高さを感じる。
当社のホームページには、「肥後一国の宗廟、熊本大鎮守と公称された御宮」とある。
さもありなん。







訪問したのは2019年の夏。
当社は2016年の熊本地震により大きなダメージを受けたようで、境内には無数の摂社や末社が祀られているが、まだ完全な修復には至っていないようだ。


裏手では後藤是山の句碑がこのように地震被害を受けていた。



      

初茜 神話の阿蘇を 東に 後藤是山


後藤是山は地元の元新聞記者。




















赤ちゃんを抱いた家族がたくさん祈祷で訪れてました。






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