すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
野路の玉川(滋賀県草津市)
景勝地としての「玉川」が全国に6か所ある。 「野路の玉川」もその一つ。 旧東海道沿いにあり、萩の名所であったしい。 「近江名所図会」(早稲田大学図書館より) そんな「野路の玉川」も宅地化が進んでいたが、地元の有志が保存に尽力し、現在では立派な史跡となっている。 こんなかんじ 川の流れではなく、池のように整備されている。 これが現在の「野路の玉川」 これはこれで大満足の訪問であった。 東海道名所図会は江戸時代の出版物であるが、次のように紹介している。 「道の傍に長さ二間半ばかり、幅一間半の埋もれし小池の跡あり。これなん玉川の古跡という。六玉川のその一なり。」 ふ〜ん。江戸時代には小池の跡になっていたようだ。 こんな玉川を詠んだ歌。 |
明日も来む野路の玉川萩越えて色なる波に月やどりけり | 源俊頼(千載集) |
さをしかの しからむ萩の秋見へて 月も色なる 野路の玉川 | 仲光(新拾遺集) |
説明板によると、昔の玉川は現在の十禅寺川らしく、すぐそばを流れていた。 古の歌人たちが感嘆したという美しい玉川の流れはちょっと想像できない有様になっていた。 けれども、まあこれはこれで大満足。 十禅寺川。西流して琵琶湖に注ぐ。 |