すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


潮見坂(静岡県湖西市)






京の都から東海道を下っていくと、ここに至って初めて太平洋の大海原を目にする。それまでの行程では琵琶湖や知多の海を眺めることはあっても、たかが湖や内海で大したことがないが、ここの豪快な荒波を眺めると、あらためて遠い旅の空であることを実感するのであろう。




道を進むにつれ、山が左右に開けていき、その間から太平洋の水平線が見える。
広重の東海道五十三次、白須賀宿の図は、左右をシンメトリーに配したとても印象深い構図になっている。


(Wikipediaより)




現在でも旧東海道でこの構図の景観が見られるらしい。
けれども、今回マイカー利用の私の訪問スケジュールでは、国道一号線バイパスを通って「道の駅 潮見坂」へ行くことになっていた。
多分、同じような地形なので一号線バイパスでも同様の景色が見られるはずと踏んで、旧東海道はパスした。

それが・・・

道を間違えて、側道に入ってしまい、側道からのアングルになってしまった。右手にバイパスが通っている。それでも左右の山のシンメトリー、その間の太平洋の水平線というアイテムはきっちり入っている。









結局、バイパスには入れず、そのため道の駅には職員用の通用口から入ることになった。


「道の駅 潮見坂」


なんともいい感じであった。

   


此宿(新井宿)をうちすぎ、程なく汐見坂にさしかかるに、是なん北は山つづきにして、南に蒼海漫々と見へ、絶景まことにいふばかりなし(東海道中膝栗毛)
・・・これは東から西へ向かう旅




潮見バーガーもあった。





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今ぞはや願ひ満ちぬる汐見坂心ひかれし富士を眺めて 足利義教

潮見坂は富士山の見えるポイントでもあった。










そういえば、こんな歌もあった
風景に愛敬ありてしをらしや女が目もとの汐見坂には 東海道中膝栗毛


東海道中膝栗毛で、北八がこの歌を口ずさんだところ、
駕籠屋に 「ハア旦那はえらい歌人じやな。〜」とおだてられ、そのまま調子に乗って、最後は酒を奢らされるという話。









地図のマークは広重の浮世絵が描かれた場所







道の駅 潮見坂のシラス丼が1200円であって、そんなに食べれないと
パスしたのが心残りです。














【追記】



2018年秋に東海道を歩き、汐見坂を通過。



東海道五十三次の浮世絵の場所。
写真の映りがイマイチであるが、
右手に太平洋の水平線が見える。



「汐見坂公園跡」からの眺望



遠江八景に選出されているようだ。
(現地案内板)









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