すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


大円院(和歌山県高野町)







平家物語の挿話のひとつ、「滝口入道と横笛」。

二人の悲恋の物語、前半は京都嵯峨野が舞台であるが、後半は高野山へ移る。

滝口入道は横笛への未練を断ち切るべく、女人禁制の高野山へ向かい、大円院で修行に打ち込んだ。

悲嘆した横笛は法華寺で出家して尼になったが、滝口入道への思いは募るばかりで、ついに高野山麓の天野の里で庵を結んだ。

しかし、横笛は恋の病に罹かる。

病床での横笛へ滝口入道からの歌

高野山名をだに知らで過ぎぬべし うきよよそなるわが身なりせば 滝口入道



横笛の返歌

やおや君死すればのぼる高野山 恋も菩提の種とこそなれ 横笛


横笛は天野の人々に看取られながら死んでしまう。


さらに物語は展開する。


ある日、高野山の大円院で住職となっていた滝口入道は庭の梅の木を眺めていたところ、鶯が飛んできて、枝から井戸に落ちていった。

この鶯こそ横笛の生まれ変わりで、女人禁制の高野山に鶯になってやってきたという。



以上、女の執念は怖いという話である。



※ 物語の前半は弊ホームページの「滝口寺」を参照してください










大円院へ行ってきた。



高野山のメインストリート沿いにあった。




宿坊も併設。




横笛の化身の鶯がとまった梅の木




鶯が落ちたという井戸。梅の木の下にある。
(写真は大円院のホームページから拝借)




横笛碑と柳原白蓮の歌碑

鶯は大円院で今日も鳴く 一切煩悩空なりと 柳原白蓮













 






大円院の宿坊に泊まってみたいです






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